お箸の雑学

塗りについての解説

塗りについての解説

ここでは、塗りについての解説をしていきます。

なぜ塗りをするのか?

 通常ものは使い続けるに従い、熱や衝撃、水分などで生地が傷みます。中でもお箸は、日常的に料理や口といったものに触れるため、その点通常よりも傷みやすいと考えていいでしょう。
 そういった経年劣化に対抗するために考えられたのが塗りという手法です。肝心な本体そのもの(お箸の場合は生地)を残すために、日常の中の少々のダメージを肩代わりすることが目的です。
 塗りには様々な種類があり、そのほとんどが、人体に無害な
液体(※)をその表面に塗り、乾燥の過程を経て、ものの表面にガラス状の薄い塗膜を作る、ということを行っています。
 このことによって、毎日お使いのお箸が、欠けや割れ、そのことから起こるシミやカビから守られ、長くお使いいただけます。

 もちろん、塗りそのものの美しさ、華やかさ、風合いそのものといった特性も忘れてはなりません。


(※・・・箸の塗りに使われるものは、食品衛生法に基づき、厳しく規制されています。)

塗りの種類

 塗りには様々な種類がありますが、ここでは代表的な塗りについて解説していきます。

① 漆塗り

 漆を使った伝統的な手法で、一般的に塗りというと漆塗りを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。漆の木から採れる樹脂を使ったもので「本漆」とも呼びます。
 漆には独特の色合いがあり、生地にそのまま塗った場合、その生地本来の風合いを生かしながら、独特の深みのある色合いになります。
 また、紫外線によってその色を変えますので、長年使った場合、塗りの色が良くなるというのはこのことに由来します。


② ウレタン塗り

 現在、塗りの手法としては最もポピュラーな手法で、漆塗り以外の天然素材のお箸はほとんどこの手法によるものと言っても過言ではありません。
 漆に比べ扱いやすく、色合いをほとんど変えませんので、素地そのもののイメージはこちらの方が伝わりやすいと考えていいでしょう。
 ただし、高温にあまり強くないため、高温と衝撃が長時間続く食洗機の使用は避けた方が賢明です。(これはすべてのお箸に言えることですが。)

 この他、柿渋やカシュー、植物油を使ったものなどもありますが、当店の代表的な塗りは上記2つなので、割愛させていただきます。

ページトップへ